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観た感想を書いたにも関わらず、後から後からいろんなことに思いが及ぶ「愛を乞うひと」。

主人公の照恵は、娘もある程度成長してから、自分のルーツを探す。

父の遺骨探しと言いつつ、本当は母を探していた・・・と娘に言われるのだ。

最後に、実は生きていた母と対峙するシーン。

暴力母は、海沿いで小さな美容院を営んでいた。

母は今でも現役で働いている。

老いた母を原田美枝子が特殊メークで演じ、一人二役でのシーンが圧巻。

客を装い訪れた娘に気づくこともなく、無愛想に接客する母。

途中で母は娘に気づくのだが、決して自分からは声をかけない。

娘も名乗りはしないが、母が気づいていることに気づき、「私も昔、美容師になりたかった」

「それは唯一母が髪を梳くのが上手だと褒めてくれたから」とカマをかけるようなことを言う。

その言葉に動揺することもなく淡々と手を進め、最後に「二千円になります」とだけ言葉をかける。

最後に娘は決死の覚悟で母に声をかけようとするが、丁度その時、外から母の今の男が帰って来たため、声をかけそびれる。

このあたりの描き方が上手いな、と思いました。

原作通りかもしれないけど、母は美容師になっていた、という事実に驚いた。

娘が社会人になるまで夜の商売をしていた風だったのに、娘がとうとう逃げたあたりから改心したらしい。

だからと言って、性格が優しくなるはずはなく、そのまんま。

その描写がなんだかリアルで素晴らしいと思った。

娘は今でも母を思い続けていたのが、この再会で完全に母と訣別することを決める。

「あんな母に私はかわいいよ、って言って欲しかった」と言うと、その娘が「お母さん、

かわいいよ」と答えるシーンは号泣必至。




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